Bob Talks:16-bit MQAとは何か?

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Bob Talks:16-bit MQAとは何か?

MQA 16-bit

MQAカタログ

MQAの「折り紙」が如何にして録音した音声をより効率的な形式に折りたたむのを説明するのに、 192kHzなどの高いサンプルレートを例として取り上げることが多い。
だが、MQAのエンド・ツー・エンドのシステムの強みは、サンプルレートが低い場合でも高い場合と同じように重要である。

音楽カタログはもともと44.1kHzで録音を行い制作されたマスターが多く、しかもその多くは44.1kHz 16b(「レッドブック」)だけで記録されているのだから、重要なのである。

1977~2010年の時代のカタログの場合、MQAは、(エラーを減じるというよりむしろエフェクトを追加する)リマスタリングによるリリースの大半に比べてはるかに近くオリジナルのスタジオの音に、本物の音に“戻る”ことを可能にする。多くの場合、MQA が提供するクリアなサウンドは奥行きが深い。

デジタル・オーディオの初期は、録音機器や制作機器は、今日のものに比べて洗練度は極めて低かった。あるレベルでは、これは利点かもしれない。スタジオでの制作からリリースまでの間音をいじくることが少ないので、クリーンに保たれるからだ。だが、初期のデジタル技術は、我々が感知し、修正することができる、体系的な欠点をももたらした。(この一部は筆者等の AES 論文に記載 [1])

MQA 16bとは何か?

16-bitのMQAファイルにする方法は三通りある:
1)16b 44.1(または48)kHzのマスターのエンコーディング。
2)24b MQAエンコーディングのデリバティブ。
3)カスタムメイドのMQA-CDエンコーディング。
これら3つのケースすべてにおいて、MQAファイルは16bを超える可聴ダイナミックレンジを提供することが可能である。

各タイプについて

1. MQAが16b 44.1kHzのマスターのエンコードを行うと、エンコード後のフルMQAファイルも44.1 kHz/16bである。16bであるにもかかわらず、このファイルにはデコーディングとレンダリングの情報すべてが含まれる。このMQAエンコーディングには、オリジナルのマスターの再生時にアクセス可能な全ての情報も含まれ、場合によってはさらに多くの情報が含まれる。
2. オリジナルのソースが44.1kHz/24bまたはサンプルレートが88.2, 176.4, 352,8kHzもしくは DSDの場合、標準的なMQAファイルは44.1kHz/24bとなる。このファイルには、デコーディング、「アンフォールディング(展開)」およびレンダリングの情報が含まれる。この24bMQAファイルは、配信の際、(例えばワイヤレスまたは自動車の環境下で)「16-bitのボトルネック」に出くわした場合、頭の16ビットにおける情報はダウンストリームの音質を最高にすべく整えられるようにアレンジされ、アンフォールディング(展開)とレンダリングは依然として可能である。[2] 参照。
よって、高いレートのマスターをエンコーディングし、MQAを24から16ビットに切り縮めても、(デコーダーのあるなしにかかわらず)できるかぎりの高い音質を得ることができる。このMQAファイルは、いかなる16-bit配信システムを通して、例えばRedbookの代替として、ストリーミングサービスに送信することができるし、興味深いことに、CDにも格納できる。重要なことだが、この16-bitバージョンのMQAの再生は、スタジオで承認・認証されたレンダリングとして聴くことが可能である。
このため、レコード会社によっては、もはやRedbookファイルを作成せず、16b MQAファイルが提供する高音質と認証を選択している。
3. 上記の2)において、MQA 16-bitのファイルは、最初に24ビットへ最適化エンコーディングし、次に下位8ビットを除去することによって作成された。しかし、ファイルがMQA-CD用の場合は、エンコーダは異なる手法によりCDのデータをさらに最適化する。



[1] R. StuartおよびP. G. Craven、“The Gentle Art of Dither,” J. Audio. Eng. Soc., vol. 67 (2019年5月)オープンアクセス: DOI: https://doi.org/10.17743/jaes.2019.0011
[2][<font color="blue">mqa-cd:折り紙とラストマイル</font>](http://www.bobtalks.co.uk/blog/mqaplayback/origami-and-the-last-mile/)

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